葛の効能

葛は「日本書紀」や日本最古の書物とされている「古事記」にも記載があるように、日本という国ができる遥か昔からこの地に生きてきた縁の深い植物です。近年、食の健康への意識の高まりと共に、葛も注目されるようになっています。

今回は葛がどんなものか、そしてどのような効能があるのかについて深めていきます。

葛ってどんなもの

「蔓(つる)」

蔓は生命力があり、成長のスピードが早いです。夏には1日に40㎝ほど伸びることもあります。繁殖力の逞しい葛は、土壌保全植物として砂漠の緑化や堤防の決壊防止に利用されているのです。

「根」

葛のでんぷんを採るには、山野に自生している葛の根を掘り出します。蔓が巻き付く大きな木々があると、根も大きく成長するのです。発芽してから3年から5年で葛の根は直径20~25㎝になり、10年以上経った葛の根で2m以上、100㎏ほどの重さに成長することもあります。巨大なサツマイモのような形をしているのが特徴です。

「種」

葛の種は黒色で直径2㎜ほど。種で増えることはほとんどなく、地中に根が存在する限り毎年芽を出して成長します。しかし、日本では、地震、火山の噴火や土砂災害などで根が流されてしまっても、種が落ちて芽が出ることがあるのです。すぐに発芽するものと、数年から10年以上経過してから芽がでる場合があります。

葛の採取の難しさ

葛の根の採取は冬の間しかできません。毎年12月から3月の1年で最も冷え込む真冬の時期に「堀子さん」が山野に自生する根を探すところから始まります。根の採取は重労働で、軽トラック1台分の根を収穫するのに3日かかるのです。

また、その年の天候によって根の大きさが変わり、大雨、台風、気温の影響で、夏場に栄養を消耗すると、でんぷんの量は減少してしまいます。採取された根から本葛になる量は少なく、1キロの根から100gしか採れない、その希少性から、本葛粉は「白い金」「白いダイヤモンド」と称されています。

吉野本葛の製造工程

①原料収集

12月~3月の冷え込む山に、原料となる葛の根を堀子さんが堀りに行きます。1本の根を1時間かけて掘り出すこともあります。

②原料粉砕

葛の根を機械で繊維状に粉砕し、でんぷんを採りだしやすくします。

③粉砕した葛の根

繊維状になった根の中に白い粒が出てきます。これがでんぷんです。

④もみ出し

粉砕した葛の根を布袋に入れ、手作業でもみ洗いして丁寧にでんぷんを取り出します。

⑤脱水

さらに布袋を絞り、繊維とでんぷん乳に分けます。

⑥沈殿

でんぷん乳を一晩おいておくとでんぷんが底に沈みます。これを粗葛といいます。

⑦吉野晒(よしのざらし)

大きな槽に粗葛と水を入れ、攪拌と沈殿を繰り返します。約2週間かけて行い、純白の吉野本葛に仕上げます。

⑧カット・乾燥

乾燥しやすいように石けんくらいの大きさに切り、斜めに立てかけるように並べます。乾燥室で1~2週間かけて乾燥させます。

⑨商品(完成)

伝統製法を守り、手間と時間をかけて作られる本葛子は「白いダイヤモンド」とも呼ばれます。

美容に効く力

葛の根から抽出される「葛根エキス」は「メラミン過剰生産の抑制」「保湿効果」「血行促進作用」「抗炎症作用」「皮脂の過剰分泌の抑制作用」「収斂作用」「紫外線の吸収作用」「コラーゲンの合成促進作用」に効果があると言われています。

健康に効く力

「イソフラボン」と「サポニン」の両方が含まれてあり、相乗効果で身体の中の脂質代謝が活発になり、脂肪が溜まりにくい身体を作ることができるのです。

イソフラボン

「更年期障害の緩和」「骨粗しょう症の予防」「循環器系疾患の予防(心筋梗塞など)」「美肌」の効果が期待されています。

サポニン

「血管についた脂質を除去」「動脈硬化を進める過酸化脂質の生成を抑制」する働きがあります。

漢方薬「葛根湯」

葛根を用いた漢方薬の代表的なものとして葛根湯がよく知られており、風邪のひきはじめの段階で用いるのが特徴です。葛根の薬理作用としては解熱、冠状動脈の拡張、脳血流量の増加などが知られています。

葛からとれた乳酸菌の力

葛はマメ科で、山野どこにでも生えるつる性の植物で、1300年以上前から日本人に愛用されてきた天然のハーブです。そんな葛のパワーの1つに葛由来の乳酸菌があります。

「葛のつる」からとれた「天極吉野葛乳酸菌」

サイトカインが多く生産されていることが確認されており、免疫力の向上、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用などが期待されています。未就学児を対象にしたモニター試験では乳酸菌入りのゼリーを食べた園児のインフルエンザ罹患率が優位に下がった結果も出ています。

「葛の根」からとれた「葛乳酸菌」

食中毒やニキビの原因菌の繁殖を防ぐ効果があること、シミ・そばかすを予防するといわれるアルプチンをさらに効果の高いハイドロキノンに変換することも確認されました。

まとめ

いかがでしょうか。漢方薬としても使用されている「葛」の効能について説明しました。乳酸菌の作用も興味深いですね。コーヒーやココア、みそ汁などどんな飲み物にもクセがなく飲みやすいのが特徴です。

健康の効果も多様ですので、洋菓子から葛を使ったお菓子に切り替えるだけでも体調が整うでしょう。「葛」は偽物も出回っているので、きちんと成分表(「本葛」とだけ記されています。)を確認し、安価なものは避けましょう。

みなさんの免疫力が上がり、健康的な生活が送れることを願っています。

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